外断熱工法の特長とコスト面も含めて教えてください。
建物の断熱性能を向上させるには、性能の良い断熱材で建物を覆う必要があります。その方法として従来は、外部に面する媒体(柱、外壁、屋根等)の内側で覆ってきました。ヨーロッパでは1970年代始め、断熱材を媒体の外側で媒体ごと覆うことが、省エネ対策として一般化してきました。このように外部に面する媒体の外側に断熱材を入れ、媒体ごと覆う方法が「外断熱工法」です。
特に鉄筋コンクリート造やブロック造等、暖まりにくく冷めにくい蓄熱体として利用できる材料で、媒体を作る建物の場合には、外断熱工法が省エネ・室内快適環境に優れた効果を発揮します。
またこの工法は媒体ごと断熱材で覆うため、外気温変化や雨水の浸入による媒体の劣化を低減させ、耐久性を高めます。木造の場合には、材木が蓄熱体として期待できませんが、軸組の外側を断熱材で覆った方が、設備配管やボックスに当たる断熱材の欠き込みが少なく確実な断熱工事が出来ます。
イニシアルコストは、高断熱高気密工法が前提となりますが、
鉄筋コンクリート造で工事単位面積当たり3.000~7.000円/㎡(耐火構造)、
木造は2.000円/㎡程度
の金額増で工事可能です。
耐火の必要のない42坪程度の住宅では50~75万円/戸の割り増し工事費が必要と考えればよいでしょう。いずれにせよ、効果の著しい鉄筋コンクリート系の建物では、外断熱工法が21世紀の断熱の主流になるでしょう。
『月刊ぷらざ2001年3月号掲載』回答:唐沢勉(JIA会員)
6 月 13, 2005 カテゴリー: 工法 | Permalink
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